月別アーカイブ: 11月 2025

「岩見沢型ピア・サポート研修」開催レポート        

〜対立を“学び”に変えるメディエーションの実践〜

 11月4日、岩見沢市立教育研究所で「岩見沢型ピア・サポート」特別研究部会メンバーが講師となって研修会が行われました。今回は、子ども同士のトラブルを解決へ導く メディエーション をテーマに、演習と座談会を組み合わせた実践的な研修となりました。市内の50名の教員が参加し、市内の全小中学校で実施されているピア・サポートへの関心の高さがうかがえました。

 参加された先生方の振り返りから、今回の研修会の様子を紹介します。



演習だからこそ気づけた“聴き方”の大切さ

 ワークシートを使った演習では、「事実」と「感情」を分けて聴くことの難しさと大切さ を実感した先生が多くいました。

  • 「相手の気持ちを引き出す声かけの難しさを感じた」
  • 「自分の癖や苦手に気づけた」
  • 「すぐに学級で実践し、子どもたちが妥協点を見つけた」

といった声が寄せられ、研修内容が日々の実践とつながりやすいことが伝わってきます。




座談会で深まる学校間のつながり

 後半の座談会では、各校の取組や悩みを共有し合いました。

  • 「他校の実践が参考になった」
  • 「悩みを聞いてもらい、もやもやが晴れた」
  • 「中学校の先生の話を聞き、発達段階の違いに気づいた」

など、交流を通して新たな学びが広がる時間となりました。


何度学んでも新しい気づきがある研修

 夏の研修から続けて参加した先生からは、

  • 「回数を重ねることで理解が深まった」
  • 「短時間で内容を整理できてよかった」

という声が多く、継続的な学びの価値を実感している様子がうかがえました。

 また、「まずは教師がロールモデルになりたい」「子ども自身が解決できる力を育てたい」といった前向きな意欲も多く見られました。


おわりに

 振り返りには、講師や部会への感謝の言葉も数多く寄せられました。

 今回の研修を通して、先生方が「聴く」「受け止める」姿勢をあらためて大切にし、子どもたちが安心して学べる環境づくりへのヒントを持ち帰る機会となりました。

 今後も岩見沢市のピア・サポートの取組が、子どもたちのよりよい成長につながることを願っています。

コンサドーレサッカースクールと連携した出前授業(サッカー・北村小)

 サッカーの出前授業が北村小学校で行われました。授業を受けたのは1年・2年の児童たちです。
 小学校低学年(1〜2年生)のボール運動では、競技的な内容よりもボールを使って体の基本的な動きを身につけさせることが大切になります。

 今回もコンサドーレサッカースクールから二人のコーチに来校いただき、小学校低学年の学習内容を踏まえたサッカーの指導を丁寧にしてくださいました。
 低学年らしい元気な挨拶のあと、ボールを使った基礎練習に入りました。

 低学年のボール運動においては、ボールに慣れる・扱うことやそれに伴って身体を協応させることが大切です。
 二人でボールに向かい合って立ち、コーチの合図で「頭」「腰」「膝」などの掛け声で自分の身体にタッチします。「ボール」の掛け声があったら素早く足で前のボールを取るという運動をします。
 掛け声と眼の前のボールに素早く反応することにより、手と目、足と目の連動で身体を協応できるようにさせます。

 続いて、サッカーのドリブルの練習をします。
 ドリブルを上手に行うために、コーチからは「なるべく細かく」「体に近いところで」などの具体的な指導がありました。
 コーチが声で合図したら止まってボールを足の裏で保持する動きを行い、次の段階では声ではなくコーチが手を上げたら止まる練習をします。これにより、ドリブルの際にボールだけを目で追うのでなく、顔を上げながら自分とボール・仲間との位置関係をつかむことにもつながります。みんな上手にできていたようでした。

 他の学校でのサッカーの出前授業でも行っていた「ナンバーゲーム」も行いました。簡単なルールで誰もがボールに触れるチャンスがあり、この時間で学んだことも活かすことができます。赤と黄色の2つのチームにわかれました。

 パスをつなぐ、順番やルールを守る、協力してゲームを進める、成功・失敗を共有するなど、多くの学びが実現されていました。

 最後の方では「この時間でサッカーを楽しいと思えた人」の掛け声ではほぼ全員がフィールドに出てしまいゴールを守る児童がいなくなってしまうこともありましたが、それくらい楽しく「簡単なルールで楽しくできる活動」を通して、協働する感覚を育むためのヒントとなりました。
 低学年での指導に活かせる指導法をたくさん示していただき、ありがとうございました。

北教大岩見沢校との連携による出前授業

「アダプテッド・スポーツ」を5年生が体験! 〈11月27日 幌向小〉

 11月27日、幌向小学校の5年生で、北教大学岩見沢校との連携による出前授業「アダプテッド・スポーツ」が行われました。
 この日は地域公開日でもあり、教室や体育館には多くの保護者も来校。
子どもたちといっしょにスポーツの楽しさを体感する、にぎやかな時間となりました。


「誰でもが楽しめるスポーツ」からスタート

 授業の始めには、岩見沢校の大山准教授より
「アダプテッド・スポーツ」とは、障がいの有無にかかわらず、誰でもが楽しめるスポーツであることが紹介されました。
 子どもたちはうなずきながら真剣に耳を傾け、保護者の方からも「そういう視点、大切ですね」といった声が聞こえていました。


体験した種目はなんと8種類以上!

 体育館にはずらりと多彩な競技が用意されました。

  • スポーツ吹き矢
  • 車いすカーリング
  • ボッチャ
  • 車いすラグビー(車いすバスケット/車いすレーサー)
  • フリスビー
  • ブラインドサッカー
  • アンプティサッカー
  • バブルフットボール など

 初めは緊張気味だった子どもたちも、競技が始まるとあっという間に笑顔に。
「スポーツ吹き矢」では的に当たるたびに歓声が上がり、「車いすラグビー」では車いす同士がぶつかる大きな音に驚きながらも目を輝かせて取り組んでいました。



保護者も一緒に汗だく! 予想以上の盛り上がりに

 今回は保護者の参加が大きな盛り上がりの理由のひとつでした。

「こんなに難しいとは思わなかった!」
「子どもより本気になっちゃいました…」

と笑い声があがり、
特に「バブルフットボール」では、大きなバブルに包まれて転がったりぶつかったり、汗だくになりながら笑い合う姿が印象的でした。

 また、普段は触れる機会が少ないパラリンピック種目を体験できたことで、保護者の方からは

「テレビで見るだけではわからなかった」
「力ではなく工夫で楽しめるんですね」

といった声も聞かれ、理解が深まる時間となりました。






スポーツの可能性に出会った一日

今回の出前授業を通して、子どもたちは「できないことがある」ではなく「みんなが楽しめる工夫がある」という視点にふれることができました。

笑顔と発見があふれた90分。
参加した児童からは、

「もっとやりたい!」
「いろんな人が楽しめるってすごい」

という声が聞こえ、充実した表情がとても印象的でした。


北教大岩見沢校の皆さま、貴重な学びの機会をありがとうございました。
今後も、子どもたちが新しい世界に出会える学びを大切にしていきます。

北教大岩見沢校と連携した出前授業(バレーボール:南小)

 南小学校で11月20日(木)3時間目に6年竹組、4時間目に6年松組で、北海道教育大学の淺井先生を講師としたバレーボールの出前授業が行われました。本時は、バレーボールの授業の5時間目でした。キャッチ型バレーボールにより、3段攻撃が決まったら得点が2点になるといったルールの工夫もされていました。どちらのクラスも、このあと行われる松竹対戦に向けてよりレベルアップを目指し、取組んでいました。

 まずは、準備体操で身体をほぐし、対戦表に基づいて挨拶をして最初のゲーム。 子どもたちの様子を見て、淺井先生からは「バレーボールを楽しんで!」とひと言。そして、新たなルールが加わりました。             

 竹組は、コート後方の白枠の箇所に決まったら、2点のルールが追加されました。

  

 守備の時は、黄色枠には一人しか入ってはいけない、というルールが追加されました。

 竹組は、コートの両サイド(白線の部分)に 決まったら得点2倍というルールが追加されました。

 三段攻撃で白線内に決まった時の得点は4点となります。

 どちらのクラスもコートを広く使って攻めたり、守ったりすること、攻撃を予測し守備位置を工夫することという視点に気付かせてもらいました。

グループごとに作戦会議。車座で話し合ったり、コート上で確認したりしていました。

 

 ルールを守り、最適なパスやアタックをする中で、仲間と声を掛け合い、協力してゲームを楽しむことができました。

 話を聞く態度もとても立派でした。

 

 最初に淺井先生からの「バレーを楽しんで」の言葉どおり、どの子も笑顔で頑張っている姿は見ている方も楽しくなりました。このあとの松竹対抗戦も練習の成果を活かし、楽しんでください。淺井先生、ありがとうございました。

北教大岩見沢校と連携した出前授業(アダプテッド・スポーツ :東小)

 11月19日(水)東小学校において、1・2時間目に5年2組、3・4時間目に6年生の児童を対象に北海道教育大学岩見沢校の大山祐太准教授を講師に迎え、アダプテッド・スポーツの出前授業が行われました。

 5つのブースが設置され、7種類のスポーツを体験しました。それぞれのブースに大学生が補助についてくれて、丁寧な説明や支援を受けていました。

 カーリングでは力の入れ具合を工夫したり、相手をどうはじき出そうか考えたりしていました。

  コツをつかむと的までの距離を長くしたり、友達と対戦したりしていました。

 アンプティサッカーでは、慣れるまでは、床についていない足でボールをけってしまいます。

 ブラインドサッカーは、ボールが止まってしまうと音が聞き取れず、苦労していました。そんなときは、学生がボールを揺すって音を出すサポート。

 ラグビー用の車イスに乗ってぶつかる感触を確認していました。

 フリスビー。簡単そうに見えましたが、枠を通過させるのは思った以上に難しかったようです。

 得点の数え方も分かりやすく教えてもらいました。

 投げる場所のポイントを丁寧に教えてもらいました。

 ルールを変えて3人でボッチャを楽しんでいました。さすが6年生でした。

 最後に、「今日、話を聞いたり、体験したりしたことを総合的な学習の時間に活かしていきたい、これからの生活にも是非活かしていきたい」と代表児童が力強く挨拶をしていました。

 

北教大岩見沢校と連携した出前授業(器械運動・志文小)

 志文小学校の三学年を対象とした、教育大学の先生をお招きしての出前授業が行われました。二時間続きで行われ、児童たちはマット運動の「側方倒立回転」、跳び箱運動の「抱え込み跳び」に挑戦しました。

 元気よく大学の先生に挨拶をしたあと、準備運動やダッシュをして十分に体の状態を整えるところから始めました。

 マットを左右に跳びながら体を支える感覚を掴んだ後、跳び箱に手をつき横の動きで跳び越える練習をします。先生から、体の使い方や足の出し方などについてアドバイスがあり、練習を繰り返す中で、マット上で体を大きく使って側方倒立回転ができるようになりました。

 二時間目は跳び箱運動の抱え込み跳びの指導が行われました。しっかりと足を抱え込み、両腕の間を通して跳ぶために、「手→足→手→足」のタイミングを意識する練習とステージを使っての踏切りと跳び越えの練習を行いました。

 跳び箱を二台並べてその間を閉脚で跳び越える練習に移ります。抱え込んだ足の高さが必要となるため、跳び箱の高さに白いひもを渡し、恐怖心なく跳び越えることができるよう練習しました。

 最後には、練習の成果で、横に配置された高い跳び箱を難なく抱え込みで跳ぶことができる児童もたくさん出てきました。

 道具や指導の工夫で、器械運動の不得意な児童にも効果的に技能の向上を図ることができる方法をたくさん示していただきました。このあとの授業に活かしてまいります。ありがとうございました。

令和7年度 第3回「教頭・研究担当者研究協議会」が開催されました!

 11月12日、岩見沢市立教育研究所において「第3回教頭・研究担当者研究協議会」が開催されました。市内小・中学校から教頭及び研究担当者が一堂に会し、今年度の取組の振り返りと今後の方向性について協議を深める有意義な時間となりました。


1 全国学力・学習状況調査(岩見沢市報告書)の概要説明

 はじめに、全国学力・学習状況調査結果活用検討委員会の委員長より、本市報告書の概要が説明されました。調査結果については各校でも一定程度共有されているものの、改めて解説を受けることで、市全体の傾向と自校の状況をより正確に捉えることができたという声が多く聞かれました。

特に、

  • 「読み解く力」
  • 「選択して構成する力」
    の2点は多くの学校が共通して抱える課題であることが確認され、今後の授業改善に向けた重点項目として共有されました。

2 グループ別協議による課題共有と方策検討

 続いて、7つのグループに分かれ、今年度の公開研究会や授業研究を通して明らかになった課題や成果について交流が行われました。

 協議では、以下のような意見が多く寄せられました。

  • これまでの情報共有に加え、「行動連携」へとつなげていく必要性
  • 中学校区内での取組の温度差を認識しつつ、9年間の学びを見通した連携・共有の強化
  • 家庭学習の在り方が形骸化しつつある状況を踏まえ、意義や方法の再検証の必要性
  • 「3校をつなぐ会」の機能強化を見据えた、組織改革(分掌ベースへの移行)の検討
  • 「脱一斉」の授業づくりが徐々に進展していることへの評価と、教師の関わり方を見直す必要性

 学校の枠を越えて課題を共有し、具体的な改善策を協議することで、どのグループにおいても実践的で前向きな話し合いが行われました。


3 まとめ:今後の授業改善に向けて

 最後に、指導室長より、

  • 「分かる授業づくり」と「ピア・サポートによる学習集団づくり」
  • 課題だけでなく学校の「よさ」を明確化し、強みを生かした授業改善
  • 市全体の充実した研修環境を最大限活用し、学びへの動機付けを高めていく姿勢

など、授業改善に向けた重要な視点が示されました。


 参加者からは、
「自校の改善サイクルを継続的に回す仕組みづくりの必要性を再認識した」
「学区内外の学校の課題が自校と重なる部分が多く、今後の方策を整理する上で大変参考になった」
「次年度に向けて、組織的な取組に落とし込んでいきたい」
といった前向きな意見が多く寄せられました。


4 おわりに

 今回の研究協議会は、市内全体の状況と各校の課題を重ね合わせながら、学校間連携の強化と授業改善の方向性を共有する貴重な機会となりました。
ここで得られた視点や提案を各校に持ち帰り、次年度に向けて組織的・継続的な取組が進むことが期待されます。

北教大岩見沢校と連携した出前授業(バレーボール・北真小)

 北真小学校で、北海道教育大学の先生を講師としたバレーボールの出前授業が行われました。小学生にとってバレーボールそのものはかなり難しいスポーツですが、「誰もが楽しめる」ことを主眼において、講師の先生がネット型ボール運動の指導をしてくださいました。

 最初に、講師の先生から、本格的なバレーボールの試合を見た経験などを聞かれるなどした子どもたちはその技術のすごさや迫力を思い出していました。講師の先生からは、今はあれほどまでは当然できなくても、やり方やルールを変えればみんなバレーボールを楽しめるんだよというお話があり、期待が膨らんでいる様子でした。

 ネットを挟んで二人対二人になり、「投げる→受け止める→投げる…」の攻防をします。サーブ権があるときにボールが相手のコート内に落ちれば得点となることはバレーボールのルールと同じです。
 普段ボールを投げるときは相手に受け止めさせることが多いのですから、「相手に受け止めさせないように」コートに落とすのは難しく、徐々にその感覚を掴んでいきました。

 講師の先生から、「うまく相手のコートに落ちるようにするにはどうしたらよいと思う?」と問いかけがあり「前の方に落とす」「隅っこやラインぎりぎりを狙う」などの反応が自然と引き出され、ゲームの攻防も激しくなってきました。

 その後、チームでボールを繋ぐことを目指したルールの追加など、柔軟に変更しながら指導してくださりました。バレーボールの醍醐味である自陣のボールを味方へつなげ、相手コートに返しながらのラリーなど、チームの連携もうまくいくようになり、励まし合ったり、良いプレイを称え合いながら攻防を楽しめました。

 どの子にもこのゲームの楽しさを存分に味わえる時間となりました。加えてネット型ボール運動の授業を構想するうえでの良い手本となりました。出前授業へのご協力、ありがとうございました。

北教大岩見沢校と連携した出前授業(アダプテッド・スポーツ :第一小)

 11月11日(火)、第一小学校第4学年の児童対象に北海道教育大学岩見沢校の大山祐太准教授を講師に迎え、アダプテッド・スポーツについて知り、実際に体験してみることを目的に「アダプテッド・スポーツ」の出前授業が行われました。

 今回は、学生さんたちの協力を得て、はじめに5箇所のブースをグループごとに回り、カーリング、ボッチャ、スポーツ吹き矢、車いす(陸上用、バスケットボール用、ラクビー用)、フライングディスク、アンプティサッカー、ブラインドサッカーの7種類のスポーツを体験することができました。

 その後、大山先生からアダプテッド・スポーツの考え方について子どもたちに分かりやすく説明していただきました。

 実際に体験したあとに説明を聞いた子どもからは「道具やルールを工夫することによって、『誰でも楽しむことができるスポーツ』だと知ることができました。」という感想が述べられました。

 子どもたちは、様々なスポーツ体験をとおし、「多様な人が共に楽しむことの大切さ」を実感し、アダプテッド・スポーツについて理解していました。
 また、出前授業にはアシスタントとして多くの学生さんも協力いただき、子どもたちの安全面の配慮をしながら支援したり、見守ったりしてくれました。
 ありがとうございました。

 

🔶岩見沢市立教育研究所 情報教育研究部会 指定校公開研究会が開催されました~子ども主体の探究とICT活用で情報活用能力を育む~

 11月10日、岩見沢市立教育研究所 情報教育研究部会の指定校として、第二小学校・上幌向中学校を会場に公開研究会が開催されました。テーマは「ICTの積極的な活用を通して情報活用能力の伸長を図る授業の推進」。市内外から多くの先生方が参加し、子どもたちの主体的な学びとICTを生かした授業づくりについて、活発な研究協議が行われました。公開された授業の様子についてご紹介します。


🏫第二小学校4年「自然災害からくらしを守る」

 4年生の社会科では、「自然災害からくらしを守る」をテーマに、地域の自然災害や関係機関の取組に目を向けながら、『災害から人々を守るための啓発ポスターづくり』をゴールにした探究的な学習が展開されました。

 授業冒頭、先生の「この単元では何を最終の目標にしているの?」という問いかけに、子どもたちは「ポスターを作る」「みんな災害から助かってほしいから」と答え、学びの目的を自分の言葉で語ります。  

 その後、先生が提示した資料やデジタル副読本「いわみざわ」を手がかりに、「市役所の人はどんな取組をしているのだろうか」という学習問題を自ら立てました。

 子どもたちは、教科書、デジタル副読本、関連図書、インターネットを自在に使いこなしながら、「防災訓練をしたり、いろいろな人と連携したりしている」「ボランティアや自衛隊と協力している」など、具体的な取組を挙げていきました。

 学習の後半では、「計画的に行われている」「自主防災組織がある」といった気づきが生まれ、子ども同士の対話から理解が深まりました。

 最後には、タブレット端末を使ってロイロノートに自分の考えをまとめ、「誰にどんなことを呼びかけたいか」という視点で振り返りを共有。デジタルツールを効果的に活用しながら、情報を集め・整理し・発信する力を身につけていく姿が見られました。


🚢第二小学校5年社会「工業生産を支える運輸と貿易」

  5年生社会科では、「工業生産を支える運輸と貿易」をテーマに、日本の輸出の特色や貿易の役割について探究する授業が公開されました。
 名古屋港の自動車輸出に関連し、輸出額のグラフで“成田空港が1位”という事実に着目し、「なぜ空港からの輸出が多いのか」という問いから学習が始まりました。

 児童は、教科書・資料集・インターネットを使って情報を調べ、調べきれない部分については児童用生成AIを活用して補足しました。調べを進める中で、「軽い(電子機器、薬、通信機など)」「高い(化学工学機器など)」の視点で仮説を立て、情報を集めて発表しました。

 ICTを通して、情報を集め、整理・分析、まとめ・表現、発信する過程の中で、日本と世界のつながりや貿易の大切さを実感的に学ぶ姿が見られました。


🏫上幌向中学校1年「Lunch in Chinatown」 

 中学校1年生英語科では、生成AIを活用してALTの“友人”と会話するという授業をおこないました。架空の人物を生成AIで創り出し、英語でのやり取りを行うという新しい試みが披露されました。

 生徒たちは「岩見沢を訪れる予定の友人」に向けて、

“What food do you like?  What Japanese culture do you like?“ 

といった疑問詞を使った文でALTの友人の岩見沢でやりたいことを聞き出していました。その後、それぞれが聞き出した内容の交流を行い、岩見沢のどんなところを紹介したらよいかについて交流しました。

 まとめでは、先生からWhatとWhichの使い方について確認し、学習内容の定着を図りました。今回の授業では、生徒にデジタルの活用を通して、興味・関心を高めながら必然性のある言語活動の幅を広げていました。


🎤講演・研究協議

 研究協議の後には、鳴門教育大学 教授 藤村裕一先生を講師に迎え、「情報教育の捉え方とその必要性」についてご講演いただきました。
 藤村先生からは、学校教育における情報活用能力の意義や、ICTを「便利な道具」としてではなく「思考を深めるための手段」として位置づけることの重要性について、理論と実践の両面から示唆に富むお話をいただきました。


まとめ

 今回の公開研究会では、児童・生徒が自ら問いを見つけ、情報を活用し、仲間と共に考えを深める姿が随所に見られました。ICTの活用が、単なる技術的操作にとどまらず、子どもたちの思考を支える力強いツールとして機能していることを実感できる1日となりました。

 岩見沢市立教育研究所 情報教育研究部会では、今後も「ICTの積極的な活用を通して情報活用能力の伸長を図る授業づくり」を推進していきます。第二小学校、上幌向中学校の教職員の皆様、参加された先生方すべてに感謝いたします。