「年度始め授業公開」南小第4学年「道徳科」
南小第4学年で「道徳科」が公開されました。教室に入ると大型ディスプレイに「正直」の文字が掲げられ、参観された先生方も若干緊張の面持ちで観ていました。

はじめに、「うそやごまかしの思い出」ということで、自分の経験を話す所から始まりました。参観されていた先生方にも参加してもらいながら笑いを誘いながら、子どもたちの心の緊張をほぐしていきました。
子どもからの「宿題をやっていないのに、やったとうそを言った」という発言に、まわりの子も「あるある」という声が多数あがりました。また、子どもたちの体験談から「正直は損をするのか」という問いをもたせ、「正直でいるといいことがあるの?」という本時のテーマを設定し「考え議論する道徳」を目指した授業となるよう展開していきました。
教科書教材(光村)「『正直』五十円分」を読み「正直」が”得と損”という観点から子どもたちに考えさせました。

たこやきを買った時、多くもらったおつりを「返す」「返さない」という葛藤を「天使」、「悪魔」というキャラクター設定で、両方の立場から考え、自分の「心の弱さ」を自覚できるよう工夫されていました。

ワークシートに「天使」と「悪魔」の”ささやき”を個々に考え交流していきました。天使の発表では、やさしくささやくように「正直にすることの大切さ」を説くように発表したり、悪魔の誘惑のある発表だったりと、よい心、悪い心が交互にでるようにして心の葛藤を確認していました。

そして、ここで先生は、唐突に「『正直』でいると『たこやき』がもらえる」とまとめ、子どもたちにゆさぶりをかけます。子どもたちからは「そんなわけないじゃん」「正直イコールたこやき?」などの声があがりました。
子どもたちからは、教材に登場する人物のそれぞれの立場から、いろいろな思いがあることが発表され、「正直」でいることが、「それぞれにとっていいことになる」というようにまとめられました。
このまとめに参加(発表)できていない子どもたちがいたので、再度、「正直」とはどういうことか、自分の考えをまわりの人(参加されている先生方も含めて)と交流して確認するよう指示しました。

子どもたちは、友だちや参観されている先生方と交流しながら、自分の考えを確かめ、深めていきました。また、一人で教科書に立ち返り、自分の考えをじっくりとワークシートにまとめている子など、それぞれのスタイルで考えを深めていました。

最後に、それぞれの立場から「もし・・・・だったら」という投げかけ子どもたちにして、「いろいろな立場、考え方」についても考えさせ「『正直』はみんなを幸せな気持ちにさせる」というまとめで授業を終了しました。
参観された先生からは、「子ども達が話しやすい雰囲気で発言が活発でした。また板書も多様な意見と子どもの思考が見やすく整理されていて良かったです。最後にもしも〇〇だったらのところでさらに多面的な見方を示していたところも参考になりました。」というような感想も聞かれ、子どもたちがテーマに向かって一生懸命考え議論できた授業であったと思います。南小4年生、授業を公開いただいた先生ありがとうございました。