カテゴリー: Ⅱ 研究事業

「教科等研究部会」南小での公開授業

 当研究所の教科等研究部会の二回目となる公開授業が南小学校の実践発表会にあわせて行われました。四年生の国語「ごんぎつね」の題材です。
 本時では、物語の最後であるごんが兵十に撃たれる場面において、ごんと兵十の関係性の変化を読み取り、ごんの心情を想像し、ごんに代わって日記を書いてみようという学習活動が展開されました。

 前の時間までに児童が書いた「ごん日記」をいくつか見せ、ごんの心情の変化を想起させます。これまでも、自分と友達の書いた日記を比べることで、自分の考えを深めながらこの単元の学習を積み重ねてきています。

 本時の場面を確認し、兵十の行動やごんの様子を読み取ります。兵十の驚きやごんの状況などから兵十が何に気づいたのか、さらにごんがどう思ったのかを考え、友達と交流します。どの児童も自分の読み取りをもとにごんの気持ちを深く考えようとしています。

 さらに深く踏み込むために、教師が「いくつも出てきたこれらのごんの気持ちの中で強く思っていることは何?」と問いかけ、焦点化を図ります。
 児童の発表が繋がっていき、教師はそれをイメージマップにまとめていきました。

 本時のまとめとして、あなに帰ることのできなかったごんの代わりに、児童自身がごんになったつもりで日記を書くことにしました。
 撃たれたあとも「兵十にわかってもらえた」「早く気づいてほしかった」「気づいてくれてありがとう」など、ごんの複雑な心情をそれぞれの読み取りをもとに表現できていました。

 授業の構想にあたり「単元構造図」や「目標分析表」が作成され、学習事項が明確化された指導が行われました。また、ごんの視点による「ごん日記」を書くという活動を位置づけた言語活動により、児童の単なる感想にとどまらない論理的な読みが実現されていました。
 授業公開をされた南小学校と授業者の先生に感謝申し上げます。

岩見沢市立教育研究所指定事業 道徳科部会 公開研究会が行われました

【研究テーマ】郷土に愛着と誇りをもち、自立した人間として他者と共によりよく生きるための基盤となる授業づくりと子どもの育成

 12月9日(火)、当研究所「道徳科」研究部会の指定校である東光中学校区において、公開研究会が開催されました。
 当日は、岩見沢小学校を会場とし、中学校区の東光中・東小・岩見沢小の教職員をはじめ、空知教育局、市教育委員会からの来賓、市内教員等が参加しました。講師には、岐阜聖徳学園大学教授 山田貞二氏をお迎えし、公開授業・研究協議・講演を行いました。  

 6年松組での公開授業では、岩見沢小学校出身で世界的に活躍したグラフィックデザイナー 栗谷川建一氏の作品や生き方を通して、児童が「ふるさと」について考える学習が展開されました。道徳科における「郷土愛」の指導の在り方について深く学ぶ機会となりました。

 岩見沢小学校では、各教室前の廊下に栗谷川氏の作品が展示されており、複数の学年で総合的な学習の時間や図工の時間等で栗谷川氏について調べる活動に取組んできました。
 今回、公開された授業では、人生経験の浅い小学生にとって、共同体や郷土への愛着を実感することの難しさを踏まえ、「経験と気付きの積み重ねの中で、郷土愛は育まれていく」という考えのもと、指導案を作成しました。何気ない日常や地域の人との関わりを通して、「当たり前の風景」の中にある温かさや支えに気付くことができるよう、場面設定や発問について吟味を重ねてきました。

 公開研究授業に先立ち、東光中学校区において小中連携研修会が実施されました。研修会では2校の小学校と1校の中学校を会場に「伝えるということ」(教育出版・中2)を読み物教材として取り上げ、発達段階や児童生徒の実態に応じた示範授業が、山田貞二先生によって行われました。
 示範授業からは、児童生徒の内なる声を引き出す「対話的な学び」の土台作りの重要性や、「もう少し詳しく教えて」「どういうこと?」といった、子どもの思考を揺さぶる問いかけ・発問の在り方等について示されました。
 さらに、発言を促すコミュニティボールや、ICTを活用した「心の数直線」による気持ちの可視化等、すぐに実践に活かせる多くの示唆を得ることができました。

 講演では、「モラルは習慣、道徳は実践」という話しを切り口に、多様な他者との“対話”や“議論”を通して、自分なりの『納得解』(=自己決定)探ることこそが道徳授業の基盤であると語られました。続いて、道徳授業においては「スキルは3番目であり、教材分析と対話が最重要である』とし、『教材分析→対話の設計→技法の選択』という授業づくりの基本を徹底する必要性が強調されました。
 さらに、対話スキルは学級経営・生徒指導の基盤でもあること、ペアでの対話を基本に、「傾聴・復唱・オープンクエスチョン」を通して、『共感→自己肯定感→安心感→自己決定の力(納得解)』へとつなげていくことの重要性が示されました。記述と対話のバランスや、教材分析における「素材研究→教材研究→発問づくり」の流れについても具体的な話がありました。

 本研究会は「郷土愛」を切り口に、道徳授業の本質や授業づくりの方向性を共有する貴重な機会となりました。今後も、対話を大切にした道徳授業の実践が、継続的に積み重ねられていくことを期待します。結びに、本研究会の開催にあたり、ご尽力いただいた東光中学校区の岩見沢小・東小・東光中の教職員、及び参加された全ての皆様に心より感謝申し上げます。

「岩見沢型ピア・サポート研修」開催レポート        

〜対立を“学び”に変えるメディエーションの実践〜

 11月4日、岩見沢市立教育研究所で「岩見沢型ピア・サポート」特別研究部会メンバーが講師となって研修会が行われました。今回は、子ども同士のトラブルを解決へ導く メディエーション をテーマに、演習と座談会を組み合わせた実践的な研修となりました。市内の50名の教員が参加し、市内の全小中学校で実施されているピア・サポートへの関心の高さがうかがえました。

 参加された先生方の振り返りから、今回の研修会の様子を紹介します。



演習だからこそ気づけた“聴き方”の大切さ

 ワークシートを使った演習では、「事実」と「感情」を分けて聴くことの難しさと大切さ を実感した先生が多くいました。

  • 「相手の気持ちを引き出す声かけの難しさを感じた」
  • 「自分の癖や苦手に気づけた」
  • 「すぐに学級で実践し、子どもたちが妥協点を見つけた」

といった声が寄せられ、研修内容が日々の実践とつながりやすいことが伝わってきます。




座談会で深まる学校間のつながり

 後半の座談会では、各校の取組や悩みを共有し合いました。

  • 「他校の実践が参考になった」
  • 「悩みを聞いてもらい、もやもやが晴れた」
  • 「中学校の先生の話を聞き、発達段階の違いに気づいた」

など、交流を通して新たな学びが広がる時間となりました。


何度学んでも新しい気づきがある研修

 夏の研修から続けて参加した先生からは、

  • 「回数を重ねることで理解が深まった」
  • 「短時間で内容を整理できてよかった」

という声が多く、継続的な学びの価値を実感している様子がうかがえました。

 また、「まずは教師がロールモデルになりたい」「子ども自身が解決できる力を育てたい」といった前向きな意欲も多く見られました。


おわりに

 振り返りには、講師や部会への感謝の言葉も数多く寄せられました。

 今回の研修を通して、先生方が「聴く」「受け止める」姿勢をあらためて大切にし、子どもたちが安心して学べる環境づくりへのヒントを持ち帰る機会となりました。

 今後も岩見沢市のピア・サポートの取組が、子どもたちのよりよい成長につながることを願っています。

🔶岩見沢市立教育研究所 情報教育研究部会 指定校公開研究会が開催されました~子ども主体の探究とICT活用で情報活用能力を育む~

 11月10日、岩見沢市立教育研究所 情報教育研究部会の指定校として、第二小学校・上幌向中学校を会場に公開研究会が開催されました。テーマは「ICTの積極的な活用を通して情報活用能力の伸長を図る授業の推進」。市内外から多くの先生方が参加し、子どもたちの主体的な学びとICTを生かした授業づくりについて、活発な研究協議が行われました。公開された授業の様子についてご紹介します。


🏫第二小学校4年「自然災害からくらしを守る」

 4年生の社会科では、「自然災害からくらしを守る」をテーマに、地域の自然災害や関係機関の取組に目を向けながら、『災害から人々を守るための啓発ポスターづくり』をゴールにした探究的な学習が展開されました。

 授業冒頭、先生の「この単元では何を最終の目標にしているの?」という問いかけに、子どもたちは「ポスターを作る」「みんな災害から助かってほしいから」と答え、学びの目的を自分の言葉で語ります。  

 その後、先生が提示した資料やデジタル副読本「いわみざわ」を手がかりに、「市役所の人はどんな取組をしているのだろうか」という学習問題を自ら立てました。

 子どもたちは、教科書、デジタル副読本、関連図書、インターネットを自在に使いこなしながら、「防災訓練をしたり、いろいろな人と連携したりしている」「ボランティアや自衛隊と協力している」など、具体的な取組を挙げていきました。

 学習の後半では、「計画的に行われている」「自主防災組織がある」といった気づきが生まれ、子ども同士の対話から理解が深まりました。

 最後には、タブレット端末を使ってロイロノートに自分の考えをまとめ、「誰にどんなことを呼びかけたいか」という視点で振り返りを共有。デジタルツールを効果的に活用しながら、情報を集め・整理し・発信する力を身につけていく姿が見られました。


🚢第二小学校5年社会「工業生産を支える運輸と貿易」

  5年生社会科では、「工業生産を支える運輸と貿易」をテーマに、日本の輸出の特色や貿易の役割について探究する授業が公開されました。
 名古屋港の自動車輸出に関連し、輸出額のグラフで“成田空港が1位”という事実に着目し、「なぜ空港からの輸出が多いのか」という問いから学習が始まりました。

 児童は、教科書・資料集・インターネットを使って情報を調べ、調べきれない部分については児童用生成AIを活用して補足しました。調べを進める中で、「軽い(電子機器、薬、通信機など)」「高い(化学工学機器など)」の視点で仮説を立て、情報を集めて発表しました。

 ICTを通して、情報を集め、整理・分析、まとめ・表現、発信する過程の中で、日本と世界のつながりや貿易の大切さを実感的に学ぶ姿が見られました。


🏫上幌向中学校1年「Lunch in Chinatown」 

 中学校1年生英語科では、生成AIを活用してALTの“友人”と会話するという授業をおこないました。架空の人物を生成AIで創り出し、英語でのやり取りを行うという新しい試みが披露されました。

 生徒たちは「岩見沢を訪れる予定の友人」に向けて、

“What food do you like?  What Japanese culture do you like?“ 

といった疑問詞を使った文でALTの友人の岩見沢でやりたいことを聞き出していました。その後、それぞれが聞き出した内容の交流を行い、岩見沢のどんなところを紹介したらよいかについて交流しました。

 まとめでは、先生からWhatとWhichの使い方について確認し、学習内容の定着を図りました。今回の授業では、生徒にデジタルの活用を通して、興味・関心を高めながら必然性のある言語活動の幅を広げていました。


🎤講演・研究協議

 研究協議の後には、鳴門教育大学 教授 藤村裕一先生を講師に迎え、「情報教育の捉え方とその必要性」についてご講演いただきました。
 藤村先生からは、学校教育における情報活用能力の意義や、ICTを「便利な道具」としてではなく「思考を深めるための手段」として位置づけることの重要性について、理論と実践の両面から示唆に富むお話をいただきました。


まとめ

 今回の公開研究会では、児童・生徒が自ら問いを見つけ、情報を活用し、仲間と共に考えを深める姿が随所に見られました。ICTの活用が、単なる技術的操作にとどまらず、子どもたちの思考を支える力強いツールとして機能していることを実感できる1日となりました。

 岩見沢市立教育研究所 情報教育研究部会では、今後も「ICTの積極的な活用を通して情報活用能力の伸長を図る授業づくり」を推進していきます。第二小学校、上幌向中学校の教職員の皆様、参加された先生方すべてに感謝いたします。

「外国語研究部会」くりさわ学舎の公開研

 当研究所外国語部会の指定校であるくりさわ学舎(義務教育学校)において公開研究会が行われ、4年生外国語活動と8年生英語の授業が公開されました。

 4年生の授業は、「Unit7 What do you want?」の単元で、「I want~.」や「How many?」などの表現でやりとりをする内容となっています。

 まず、ペアで簡単な英会話を行ったり、歌を歌ったり、今日の表現で用いる単語チェックをするところから始まりました。

 単元を通してストーリーがあり、本時では前回尋ねた相手の好みのピザの材料を店に買いに行くという場面設定がなされており、そこで使われる英語表現を全員で確認します。

 各班で店員役と客役に分かれ、実際に英語を使って目的の材料を揃えていきます。単元のストーリーの中で目的がはっきりしているので、みんな一生懸命それぞれの役割に沿って英会話のやり取りをしています。

 全員が無事に買い物を終えることができました。今日の振り返りを各自でスプレッドシートに記入します。終わった児童は自分の学習状況に合ったプリントで学習を行い習熟を図っていました。

 8年生の授業は、「Lesson5 How to Celebrate Halloween」の単元で、「疑問詞 to」や「it for to」などの文型を用いて日本の伝統行事などを伝えたりするコミュニケーションができるようにするものです。

 本時は、既習の表現等を用いて、日本文化にまつわる説明クイズをしたあと続けて会話をすることを目指すものです。

 授業はほとんどオールイングリッシュで進行します。はじめに、ペアになり単語の練習や会話の練習を行います。ウォーミングアップの時点で生徒たちは慣れた様子で会話ができています。

 本時のメインの活動に入ります。日本の文化に関するカードを引きその内容について相手にヒントを与えながらクイズをします。会話を上手に工夫し相手に伝わるよう表現します。その後の会話もスムーズに進みます。

 最後にハードルの高いミッションが与えられました。普段から親しんでいるクラスの仲間相手ではなく、この授業を後ろで参観している他校の先生方にクイズを出し会話をするよう指示されます。はじめは少し緊張した様子でしたが、どの生徒も積極的に先生方に対して堂々と英語でコミュニケーションできていました。

 くりさわ学舎は義務教育学校の強みを活かして小・中の9カ年を見通した外国語活動-英語のカリキュラムと教材の開発を行い成果を上げています。今回の授業公開と研究成果の発信、ありがとうございました。

「教科等研究部会」光陵中での公開授業

 光陵中学校の1学年英語の授業が公開されました。この授業は当研究所の教科等研究部会の研究指定を受けて行ったものです。

 教科等研究部会では研究を進めるにあたり幾つかの「視点」をもとに深めようとしていますが、この授業においては「教師の指示・発問・説明を明確にすることは、子どもが安心して発言し、自己の考えを深めることにつながる」という考えをもとに授業が構想されました。授業を担当した先生は、普段の授業において自己の指示発問等を録音し分析したうえで、その明確性を高めていく取組をしてきているとのことです。

 本時では、「should」を用いた文の構造を理解しそれを伝えることができるようにするものでした。スライドを用い使われるシチュエーションを示しながら導入が行われました。

 必ず理解すべき文法事項である「should」を用いた構文についてしっかり理解させます。

 教師は指示を精選しテンポよくパターンプラクティスを行います。ペアで例文を発音したあと、教師の発音に続いて練習します。

 「shouldを使ってアドバイスランキングをしよう」というグループアクティビティを行い、今日の学習内容の定着を図ります。例示された三つのシチュエーションにおけるより良いアドバイスや提案について、まず個人で考えロイロノートに記入し、グループでその提案の英文を比較交流し、全体交流とまとめを行い、授業を終えました。

 教師の指示や発問を精選し的確に行うことで、生徒の理解が促進され、アクティビティや交流の時間も十分に確保された授業となりました。

 授業公開をされた光陵中学校並びに授業者の先生、ありがとうございました。