カテゴリー: Ⅳ 研修事業

令和7年度 第3回「教頭・研究担当者研究協議会」が開催されました!

 11月12日、岩見沢市立教育研究所において「第3回教頭・研究担当者研究協議会」が開催されました。市内小・中学校から教頭及び研究担当者が一堂に会し、今年度の取組の振り返りと今後の方向性について協議を深める有意義な時間となりました。


1 全国学力・学習状況調査(岩見沢市報告書)の概要説明

 はじめに、全国学力・学習状況調査結果活用検討委員会の委員長より、本市報告書の概要が説明されました。調査結果については各校でも一定程度共有されているものの、改めて解説を受けることで、市全体の傾向と自校の状況をより正確に捉えることができたという声が多く聞かれました。

特に、

  • 「読み解く力」
  • 「選択して構成する力」
    の2点は多くの学校が共通して抱える課題であることが確認され、今後の授業改善に向けた重点項目として共有されました。

2 グループ別協議による課題共有と方策検討

 続いて、7つのグループに分かれ、今年度の公開研究会や授業研究を通して明らかになった課題や成果について交流が行われました。

 協議では、以下のような意見が多く寄せられました。

  • これまでの情報共有に加え、「行動連携」へとつなげていく必要性
  • 中学校区内での取組の温度差を認識しつつ、9年間の学びを見通した連携・共有の強化
  • 家庭学習の在り方が形骸化しつつある状況を踏まえ、意義や方法の再検証の必要性
  • 「3校をつなぐ会」の機能強化を見据えた、組織改革(分掌ベースへの移行)の検討
  • 「脱一斉」の授業づくりが徐々に進展していることへの評価と、教師の関わり方を見直す必要性

 学校の枠を越えて課題を共有し、具体的な改善策を協議することで、どのグループにおいても実践的で前向きな話し合いが行われました。


3 まとめ:今後の授業改善に向けて

 最後に、指導室長より、

  • 「分かる授業づくり」と「ピア・サポートによる学習集団づくり」
  • 課題だけでなく学校の「よさ」を明確化し、強みを生かした授業改善
  • 市全体の充実した研修環境を最大限活用し、学びへの動機付けを高めていく姿勢

など、授業改善に向けた重要な視点が示されました。


 参加者からは、
「自校の改善サイクルを継続的に回す仕組みづくりの必要性を再認識した」
「学区内外の学校の課題が自校と重なる部分が多く、今後の方策を整理する上で大変参考になった」
「次年度に向けて、組織的な取組に落とし込んでいきたい」
といった前向きな意見が多く寄せられました。


4 おわりに

 今回の研究協議会は、市内全体の状況と各校の課題を重ね合わせながら、学校間連携の強化と授業改善の方向性を共有する貴重な機会となりました。
ここで得られた視点や提案を各校に持ち帰り、次年度に向けて組織的・継続的な取組が進むことが期待されます。

D-いわみざわ授業活用研修会

 令和7年10月30日(木)、岩見沢市立岩見沢小学校において、「D-いわみざわ授業活用研修会」が開催されました。
 本研修は、令和5年度より市内の小学校で使用されているデジタル版社会科副読本『いわみざわ』の授業における効果的な活用方法や指導法等を学び合うことを目的に実施されたもので、市内小学校の第3・4学年の担当の先生方、デジタル副読本編纂委員を中心に、多くの先生方が参加しました。


授業の様子

 公開授業では、4年生社会科「ごみのしょりと活用」の学習が行われました。
 子どもたちは、デジタル教科書に掲載された写真や資料を読み取りながら、「ごみはどのように分けられているのだろうか」という課題を自分たちで設定し、話し合いを通して考えを深めていきました。

 また、先生から他市のごみ収集の様子を提示された場面では、「岩見沢ではなぜこのように分けているのか」「地域によって分け方が違うのはなぜか」といった新たな疑問を生み出す姿が見られ、学びが広がるとともに、より主体的な学びが展開されました。


研究協議の内容

 授業後の研究協議では、「デジタル版教材のよさ」について活発な意見交換が行われました。参加者からは、「子どもが資料を拡大して比較しやすく、疑問をもとに課題を見いだしやすい」「 実際の生活に結びつくリアルな学びへと発展させるには、見学や調査活動との連携が重要」 などの意見が出され、デジタル活用の可能性と課題の両面を共有する貴重な機会となりました。


まとめ

 本研修を通して、デジタル教材の効果的な活用によって子どもの探究的な学びを促す授業づくりの方向性が明らかになりました。
 教育研究所では、今後もICTを活用した地域学習の充実を目指し、各校の実践を支援してまいります。

ICT活用に関する研修講座Ⅰ

 8月4日(月)に「ICT活用に関する研修講座Ⅰ」が開かれました。小学校や中学校の先生方、事務職員の方も含めて29名が参加し、ICTを授業や校務にどう生かしていけるかを学ぶ、充実した時間となりました。

 研修では、まずICT活用の基礎的なスキルを身につけることを目標に、CanvaやGoogle Sitesの基本的な使い方が紹介されました。講義では、Canvaを使った授業での活用事例や、Google Sitesを使った校務改善の可能性について説明があり、その後の演習では実際に教材を作成したり、基本操作を体験したりする活動が行われました。先生方は手を動かしながら「これなら使えそう!」と具体的なイメージを膨らませていました。

 研修後のアンケートでは、多くの参加者が「満足」と回答しており、実際に役立つ内容だったことが伝わってきます。特にCanvaについては理解が深まり、「授業で活用したい」という声が強く寄せられました。一方でGoogle Sitesについては、便利さを感じつつも、既存のシステムとの関係や操作への不安、校務全体で活用する仕組みづくりの課題が指摘されました。

 参加した先生方の様子からは、特にCanvaの授業活用に対する意欲が大きく高まったことが窺われるとともに「生成AIの活用を学びたい」「初心者向けにゆっくり操作を学ぶ研修をしてほしい」「失敗例や注意点も知りたい」「グループでの実習形式にしてほしい」など、さらなるICT活用への機運の高まりが感じられた研修講座となりました。

「救急・救命」講習会を行いました

 8月7日(木)、8月8日(金)の両日、岩見沢市立教育研究所にて「救急・救命」講習会が開催されました。本講座は、岩見沢市に転入してきた教職員を対象に、危機管理意識を高め、適切な応急手当の方法を身につけることで、安全・安心な学校づくりを目的に実施しています。

 当日は、岩見沢市消防署員の方々を講師にお迎えし、「救命への心構えと救命処置の方法」について講話をいただきました。後半の実技講習では、グループごとに人形を相手に胸骨圧迫の仕方やAEDの使用方法などを体験しました。ICT機器も活用しながら、救命処置の一連の流れを実践的に学ぶことができました。

 受講者からは、「救命処置について、映像、講話、実技講習を通して学び、その大切さを改めて理解できた」、「胸骨圧迫やAEDの正しい使い方がよくわかった」、「以前学んだ内容を思い出し、確認できた」などの声がありました。また、「心肺蘇生で胸を5㎝沈ませるには想像以上に強い力で押さなければならないと実感した」などの感想もあり、今回の「救急・救命」講習会を通して、受講者には救命への心構えやその処置について学びを深めるよい機会になったようでした。

 今後も、AEDの設置場所の確認や救急搬送の際の注意点、日常生活でできる事故防止策などを全職員と共有し、学校全体で危機意識をさらに高めていきたいと考えています。全ての子どもたちにとって、より安心・安全な教育環境を築いていきます。

「食物アレルギー」研修講座

 8月6日(水)、岩見沢市立教育研究所にて「食物アレルギー」研修講座が開催されました。この講座は、岩見沢市に転入してきた教職員に食物アレルギーについての知識やアナフィラキシーの予防及び対応に関する理解を深め、適切に対応できる能力を養うことにより、市内全ての学校が子どもたちにとって安全・安心に過ごせる場となることを目指すものです。          

管理薬剤師を講師に迎え、「食物アレルギーの正しい理解とアナフィラキシーショックに対する対処の仕方」について、講義と実技演習を組み合わせて学びました。

 受講者のふり返りでは、「食物アレルギーの発症時の対応について理解が深まった」、「ロールプレイングをとおして実際の対応を見たり、実際にエピペンを手にとって打つ経験ができたりしてよかった」、「エピペンを使用の際、救急要請や症状の記録や教職員との連携・役割分担の重要性を職場で共有したい」等、大変有意義であったとの感想がありました。

 今回の研修講座を通じ教職員は食物アレルギーに対する理解を深め、実際の対応力を向上させることができました。今後もこのような研修を継続し、全ての子どもたちが安全・安心に過ごせる環境を整えていくことが期待されます。

不登校対策研修会

 8月1日、「不登校対策研修会」を行い、市内各小・中・義務教育学校の生徒指導の担当者等が参加しました。

 今年度の講師は、日本医療大学 総合福祉学部 ソーシャルワーク学科 准教授の丸山正三先生です。先生は北海道スクールソーシャルワーカー・スーパーバイザーとしても活躍されています。

 先生の講義では、各種調査や統計から見えてくる不登校の実態やそれにかかわる課題、子どもと家庭に関する不登校の要因の理解などについて詳しく解説がありました。これらに対応するに当たってはアセスメントが重要であることが示され、そのポイントや視点を説明していただきました。

 続いて、ある事例に基づき、グループごとにアセスメントとそれに基づく支援方針を検討する演習を行い、参加者は学校として児童や家庭にどのように働きかけるかなどについて協議をもとに発表を行いました。

 最後に、学校・教員として、児童生徒の学びを保障し、支援とその体制づくりのためにどのようにしていくべきかグループごとに検討しました。

 参加者からは「演習を通じて、学びの保障・校内支援体制・家庭との連携の必要性について確認できました」、「アセスメントをしっかり行い、学校だけでなく地域の方やSSWと連携を図りながら不登校の支援体制を作る必要があると感じました」などとの感想が寄せられました。夏季休業期間中の大変暑い中でしたが、各学校で今回の研修成果を二学期からの不登校対策に生かしてくれるものと思います。

第2回教頭研究担当研究協議会

 市内の小・中・義務学校の教頭と研究担当者が集まり「第2回教頭・研究担当者研究協議会」が開催されました。今回は全国学力学習状況調査結果が各学校に返却されましたので、各学校の分析・改善取組状況等を交流するとともに、研究所からは、生成AIを活用した研究授業等の分析の実際について説明しました。

 生成AIの教育現場での可能性に大きな注目が集まっていますが、AIを用いた授業分析や児童の発言分類は、業務効率の向上や授業の質の改善に寄与することが実感され、参加者からは「想像以上にできることが多かった」「今後、校内でも導入を検討したい」との声があがりました。一方で、ICT環境や制度面の課題も明らかとなり、理解促進のための研修の重要性も再認識されました。

 また、全国学力学習状況調査やNRTの結果を活用した授業改善の必要性も共有され、「データから逃げずに現実を見つめる」姿勢の大切さが強調されました。他校との比較を通じて、自校の変容に注目する視点も得られました。

 さらに、小中連携の取組が各地で進みつつあり、9年間の学びを見据えた協議が実践的に行われています。研究推進や校内研修の在り方についても見直しの機運が高まり、他校の実践から多くの刺激が得られました。

教師としての覚悟を促す言葉や、子ども理解の視点など、多角的な学びに満ちた協議会となりました。

特別支援教育支援員研修講座

 岩見沢市には29名の特別支援教育支援員が配置されています。配置されている各学校において特別な支援を要する児童生徒に対し担任等と連携の上、学校生活を円滑に送れるようにサポートしており、その方々を対象とする研修講座を行っています。

 今年度は、北海道特別支援教育センター 主任研究員 大西 修 氏を講師として、「特別支援教育支援員の基本的な役割と心構え、対応の実際について」と題して講義等をいただきました。

 大西主任研究員は、

  • 特別支援教育支援員の現状と役割
  • 障害のある児童生徒の理解
  • 障害のある児童生徒の支援のあり方

について、実例や演習を交えつつ、特別支援教育支援員の基本的な役割と心構え、学級担任と連携して行う子どもへの対応の在り方等についても触れながら、丁寧にご指導いただきました。

 グループ協議や意見交流では、参加者自身の取組をもとに交流し、互いの悩みや活動の工夫について積極的に交流がなされていました。

 参加者からは、「動画等の実例を資料として使っていただき、大変わかりやすく、勉強になりました。」、「子どもとの信頼関係を大事にし、声掛けや支援をしていきたいです。」、「毎日様子の違う子どもに対し、小さなことでも変化を見逃さず担任の先生と情報交換していきたい。」などの感想が聞かれ、多くの成果を学校に持ち帰ることができたようです。ご指導いただいた内容を、参加者がこれからの支援に活かせるよう期待しています。

特別支援教育研修講座を実施しました

 5月29日、特別支援教育研修講座が行われました。この講座は、特別支援学級の学級編制の考え方や法的な位置付けをはじめ、障がいの状態等に応じた指導内容や指導方法、週時程と学習活動の実際等についての理解を深め、一人一人の障がいの状態等に応じた教科指導や自立活動など、障がいの特性に応じた教育課程の編成と実施に資するために行われるものです。市内の小・中・義務教育学校の特別支援教育コーディネーターと管理職が参加しました。

 講師は、空知教育局教育支援課学校教育指導班 油川智史 主任指導主事です。

 講師の先生からは、「障がいの特性を考慮した教育課程の編成と実施」と題して、管内の特別支援学級の現状と課題、特別の教育課程を編成する際の留意点、自立活動や交流・共同学習のあり方等について大変丁寧に講義をいただき、理解を深めることができました。

 また、コーディネーター・管理職別のグループによる演習が多く取り入れられ、その結果それぞれの立場における特別支援教育の推進と充実改善について深く学んでいる様子が見られました。

 参加者の「振り返り」からは、「特別支援教育に係る教育課程編成の具体的な説明・解説をいただき考慮すべき点や児童一人一人の実態に応じた編成の仕方について理解を深めることができました。」、「他校との交流という貴重な機会を通して、本校における個々の児童の障がいに応じた教育の実践について深く考えさせられました。」など、多くの学びや気づきを得られているようでした。市内の各学校で、一層特別支援教育の指導体制と指導内容が充実されることを期待しています。

「年度始めの授業公開」日の出小第4学年「算数科」「道徳科」

  日の出小第4学年で年度始めの授業公開が行われました。

 算数科「わり算の筆算」では問題文を提示する中で、算数用語を確認したり、学習の見通しをもたせたりしていました。既習事項を掲示物で確認し、考えさせるしくみも見られ、子どものつぶやきから教師が上手に子どもの意欲を引き出していました。

 教師の問い返しからの子ども同士の対話や、教師とのやり取り、テーブル型ホワイトボードの活用等、それぞれの学び方で取組む子どもたちの姿が見られました。

 子どもの声をつないで「わる数>あまり」の関係に注意して筆算することが大事とまとめました。

 続いての道徳科では。「正直ではなくてごまかしてしまったことはあるか?」「どうして正直って難しいのか?」と子どもたちの経験を想起させ、「正直」をキーワードに自分自身について考えることを確認しました。

 個人思考をしっかり行ったあと、ロイロノートの活用により、自分とは違う考えの人と積極的に交流することをとおし、考えを深める姿が多く見られました。

 どの授業も発表者に体を向けて聞くことや、机上整理など、日頃からの学習ルールが徹底されていることをしっかり感じ取ることができました。

 授業を公開していただいた日の出小学校、並びに授業公開していただいた先生、ありがとうございました。